スピカピカが生まれるまでのおはなし
spica-pika(スピカピカ)が生まれるまでのお話。
初めて刺繍をしたい!と思ったのは、
小学校1年生の時でした。
3つちがいの弟の入園のための絵本カバンを
母が刺繍しているのを、ずっと横でながめていて、
「私もやってみたい!」
と言いました。
かわいい刺繍の本の中にある、
フルーツの図案をえらび、
りんご、みかん、もも、、、とチクチク。
さくらんぼがサテンステッチで、
1つめの実はうまくできなくて細長くなってしまって……。
でも、2つめは上手にまんまるにできて、
とっても嬉しかったことを覚えています。
その後、わたしは絵を描くことが大好きだったので、
針と糸よりは、ペンや絵具と仲良しだったのですが、
それからもう一度、針と糸を手に取ったのは
大人になって娘を産んでからでした。
とってもとっても可愛い宝物の女の子。
世界で一つの特別なお洋服を作ってあげたくて、
ミシンで縫ったワンピースの胸元に小さな刺繍をしました。
そうしたら、初めて刺繍をしたあの日の「楽しい!」って気持ちが
またわたしの胸に湧き出てきたのです。
刺繍って楽しい!もっとしたい!!
さぁ、今度はなにを刺繍しよう?
自分の心の中をのぞいたら、
ふたりのうさぎが森の木陰から
こっちをのぞいているのに気がつきました。
お友だちになる?と聞くと
「うん!」っと駆け寄ってきてくれました。
そのふたりのうさぎの女の子がスピとピカ。
ふたりとお友だちになった時に
spica-pikaは誕生しました。
それからわたしは、
わたしの心の中にある
おとぎの森の動物さんたちを
刺繍しています。
動物さんたちが、なかよくしたそうにこっちをのぞいているから。
おとぎの森の動物さんたちが、
なかよくしてくれる人と出会えますように……。
そんな想いを込めて。